こんにちわ!
三重県四日市市で社労士をしている宇佐美です。
最近、「うちの社員が勝手に副業を始めていたんですが、やめさせられますか?」というご相談をいただくことが増えている様子です。
働き方改革やリモートワークの普及もあって、副業・兼業に対する関心は年々高まっています。
しかし、それに伴って現場ではこんな悩みも出てきます。
・勝手に副業をしていたが、業務に支障が出ないか心配…
・会社の信用を損なうような内容だった…
・どう対応すればいいのかわからない…
今回は、「無断で副業している従業員に、会社は制限や禁止を命じることができるのか?」について、労務管理の視点から解説します。
副業は原則自由、でも制限は可能!
まず大前提として、副業は労働時間外の行動であるため、何をするかは本人の自由とされており、原則として禁止はできません。
ですが、「絶対に制限できない」というわけではありません。以下のようなケースでは、企業側が副業を制限できると、
厚生労働省のガイドラインにも明記されています。
1、労務提供に支障がある場合
2、企業の秘密が漏洩する場合
3、競業により自社の利益が損なわれる場合
4、会社の信用や信頼が損なわれる場合(風評など)
これらに該当し、就業規則で「副業の届け出」「禁止の条件」などがきちんと定められていれば、
無断の副業に対して禁止・制限することは可能です。
見落としがちな落とし穴:労働時間の通算
副業を認めるにあたって、もう一つ注意したいのが「労働時間の通算」です。
例えば、A社で1日8時間、B社で3時間働いていた場合、1日11時間労働となり、労基法上の残業規制や割増賃金の対象となる可能性があります。
これは企業側が知らなかったとしても、「安全配慮義務」や「労働時間管理義務」の観点でリスクを伴うことになります。
対応のポイントは「就業規則」と「事前確認」
副業を禁止したり制限したりする場合は、必ず就業規則で
・副業の届出義務
・禁止となる具体的な条件
・労働時間管理に関するルール
などを明文化しておくことが重要です。
また、副業を認める場合も、労働時間の管理や通算労働時間の確認、業務への支障が出ないかなど、
事前確認を行うことがリスク管理につながります。
まとめ
副業は「原則自由・条件付き」で制限可能。
企業としては、感情的に禁止するのではなく、就業規則の整備と実務対応の準備をしておくことが、トラブルを未然に防ぐカギとなります。
「うちの就業規則、副業について何も書いていないけど大丈夫?」
「従業員から副業の申請が来たけど、どう判断すべき?」
そんなときは、社会保険労務士にぜひご相談ください。
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